上尾市内の庚申塔(登録)
かつて人々は現代のような医学に守られず、長寿を願ってさまざまな信仰を重ねてきました。その民間信仰の一つが庚申信仰です。
昔は時間や月日を十干十二支の干支で表していました。その組み合わせは60通りあり、その一つが「庚申」「かのえさる」です。その日の夜、人の体の中にいる三尸(さんし)という虫が天帝の元に上がってその人の罪悪を報告し、寿命を縮めると考えられていました。人々はそれを防ぐために、庚申の夜には「講」で集まって徹夜する「庚申待」と呼ばれる行事を行いました。
このような庚申信仰は、江戸時代に盛んになり、供養のために多くの庚申塔が建立されました。
昔の人々の願いがたくさん込められた庚申塔を始めとする石造物は、その建立された時の人々の暮らしや社会を理解するための貴重な資料です。
庚申塔とは、道の辻や寺社の境内で見られる石造物の一種です。石造物には馬頭観音や地蔵、道祖神などを刻んだものがありますが、それらと区別する庚申塔の条件は次の3点です。・本尊の像もしくは銘文が青面金剛である(猿田彦の場合もあるが、現在市内では確認されいません)。「庚申」や「庚申供養」の銘文がある。三猿像がある。
《注意》
・文化財のほとんどは個人の敷地内にあります。また、いつでも自由に見学ができるというものでもありませんので所有者・管理者に了解を得てから見学をしてください。
・文化財には、信仰の対象になっているものが多くあります。無断で写真や拓本をとらないでください。
・文化財の周りでの喫煙や火気の持ち込みはしないでください。
※ ここでは、上尾の登録文化財一部を紹介しています。