上尾の寺社
市内には数多くの寺院と神社があります。江戸時代の末期に徳川幕府が編さんした『新編武蔵風土記稿』などによると、明治初期にかけて、上尾市域の村々には111の寺院と144の神社がありました。現在も52の寺社が宗教法人として登録されています。
これらの寺院・神社は、地域の歴史を見守り続け、今なお往時のたたずまいをほうふつさせてくれます。また、これからも長く後世に伝えていきたい貴重な文化財の数々を所蔵しています。
『広報あげお』では、平成16年8月号から「上尾歴史散歩・郷土の寺社を訪ねる」という連載で、市内各地域の寺院と神社を紹介していますが、ここではその記事を再録しました。
執筆は、元上尾市史編さん委員・埼玉県立博物館長の黒須茂さんです。
<注意>本文中で紹介している文化財などは、私有地内にあるものが多く、常時公開されているとは限りません。また、自由に見学ができない場合もあります。
上尾の寺社 1 遍照院(上町)
室町時代から続く京都・仁和寺の末寺
上尾の寺社 2 昌福寺(弁財)
寺領10石と記された曹洞宗の古刹
上尾の寺社 3 少林寺(西門前)
鎌倉円覚寺・東慶寺ゆかりの市内最古の寺院
上尾の寺社 4 馬蹄寺(平方)
天然記念物モクコクで知られた古刹
上尾の寺社 5 楞厳寺(瓦葺)
700年余の時を刻む「弘長の板碑」
上尾の寺社 6 十連寺(今泉)
徳川家康の機知で名付けられた寺号
上尾の寺社 7 氷川鍬神社(宮本町)
江戸の知識人も招かれた「聚正義塾」
上尾の寺社 8 東栄寺(中分)
新秩父霊場観音菩薩像を祭る曹洞宗寺院
上尾の寺社 9 龍山院(上)
樹齢300年の威容を誇るムクロジ
上尾の寺社 10 橘神社(平方)
樹齢800年のケヤキに見守られ平方河岸の繁栄をしのぶ
上尾の寺社 11 妙厳寺(原市)
大名・西尾隠岐守累代の墓と信長ゆかりの「鞍」を伝える
上尾の寺社 12 西光寺(中新井)
鎌倉期の「阿弥陀三尊立像」など多くの仏像を蔵する
上尾の寺社 13 氷川神社(上尾村)
江戸期の職人芸を今に伝える本殿の彫刻
上尾の寺社 14 密蔵院(平塚)
市内最古、平安後期制作の日光・月光菩薩立像を安置
上尾の寺社 15 徳星寺(畔吉)
大カヤと暖帯林に抱かれた古刹
上尾の寺社 16 清真寺(平方領々家)
同形式の胎内仏を納めた珍しい十一面観音菩薩座像
上尾の寺社 17 長久寺(原市)
「原市のお不動さん」で知られ神仏習合と寺子屋の名残をとどめる
上尾の寺社 18 八合神社(小泉)
武蔵野の森に抱かれた静寂な空間を今に残す
上尾の寺社 19 日乗院(柏座)
市指定文化財の中世仏画「絹本着色不動明王図」を蔵し古い草創伝承のある大寺
上尾の寺社 20 氷川神社(上)
広大な社叢林に囲まれた境内 江戸から昭和まで神楽を上演