川の大じめ
市指定無形民俗文化財
(ふりがな) かわのおおじめ
【文化財名】 川の大じめ
【指定番号】 第68号
【種別】 民俗文化財・無形民俗文化財
【指定年月日】 平成3年12月1日
【保持団体】 川の大じめ保存会
【概要】
川の大じめは、川地区のフセギの信仰に基づく行事です。毎年5月15日に、神明社で大注連1つと小注連6つを作り、川地区の旧道の出入り口に昨年取り付けたものを取り替えます。
大注連は、長さ5から6mの太い縄状のもので、高さ4mほどの2本の柱の上に道をまたぐようにして掛けるものです。この掛ける場所は、今泉地区から川地区に入ってくる道と、向山から弁財に通じる道の交差点付近で、かつては川地区へ他の地区から入る場合には、必ずここを通過ごするという場所でした。また、大注連の中央には、神札と榊を付け、これを馬の草履で被うように付けます。小注連は、長さ50cm位の縄を輪にしたもので、川地区から田に出る小道など6カ所の木の枝などに掛けています。
また、古くは、注連を掛け終えると、大注連の下で百万遍といって大きな数珠を回したものでしたが、大正時代の火災で数珠を焼失してから行わなくなっているといいます。
この行事は春から夏にかけてのフセギ行事の典型であり、外部からの災いを村境に注連を張って防ぐという理解しやすい方法を取っています。上尾市域でほかに行われていない貴重な行事です。周辺地域のフセギ行事には、県東部に分布する蛇縄を掛ける行事と、県西部で行われる村境に草履を掛ける行事が知られていますが、川の大じめ行事は、形式的にも位置的にも中間に位置し、フセギ行事全体を考える上でも重要なものです。
市刊行物のご案内
上尾市文化財調査報告
第55集川の大じめ(平成9年8月29日)
上尾市史
第九巻別編2 金石・文化財(平成11年3月31日)
その他の刊行物
川の大じめ[ビデオ](平成10年8月10日)