議第26号議案
完全な地上デジタル放送の実施に向けて円滑な移行策を求める意見書
平成23年(2011年)7月24日をもってアナログ放送を終了、完全に地上デジタル放送に移行することが予定されている。総務省の調査では、2010年3月時点で地デジの世帯普及率が83.8%と発表された。
しかしながら、離島を抱える沖縄県や、山間部の多い岩手県では普及率が70%未満となっており、ビルの陰などで電波が届きにくい施設の対策は達成率が約48%となっている。さらに、共同アンテナ改修が必要なマンションなど210万施設への対応も約77%にとどまっている。
地上デジタル化完全移行まで1年を切り、完全移行までのプロセスが最終段階に入った今、国民生活に直接影響を与える問題だけに、円滑に移行を進めるためには、現在指摘されている諸課題に対して政府を挙げて対応策を打つことが必要である。
一方、現在残存するアナログテレビは推定約3,500万台といわれ、これらは来年7月の地上デジタル化完全移行で大量の“廃棄物”となることから、不法投棄の懸念も指摘されている。不要テレビの処分に関する対策も検討されるべきである。
地上デジタル放送への移行、廃棄物の処分については、いずれも特に自治体の取り組みが不可欠であり、政府は自治体の取り組みをサポートすべきである。
よって、国及び政府においては、完全地上デジタル化に向けて移行が円滑に進むよう、以下の取り組みについて必要な予算を確保するとともに、施策の実施を強く要請する。
記
1.離島、山間地域ほか普及率が低い地域に対して地上デジタル移行の啓発活動を重点的に推進し、デジサポ(総務省テレビ受信者支援センター、現在全国52カ所)の相談窓口をさらに増やすこと。
2.地上デジタルに関する個別相談会を自治体でもきめ細かく実施できるよう、予算措置などの支援策を十分に講じること。
3.地上デジタルに対応していない集合住宅に対するアンテナ設置や施設内配線の支援策の着実な履行と、ビル陰世帯についても確実な移行策を推進すること。
4.大量のアナログテレビが一斉に廃品になるため、懸念されている不法投棄の防止策及び円滑なリサイクル回収を着実に推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成22年9月16日
上尾市議会
平成22年9月16日
提出者 上尾市議会議員 道下 文男
賛成者 上尾市議会議員 武藤 修
賛成者 上尾市議会議員 秋山 もえ
賛成者 上尾市議会議員 野本 順一