議第17号議案
障害のある子どもたちの教育条件改善を求める意見書
わが国では、障害のある子どもたちの教育のために、(1)特別支援学校(2)小中学校の特別支援学級(3)通級指導教室が設けられている。近年、こうした場で学ぶ子どもたちの数は急増し、1999年の約18万人からこの10年間で約30万人に増え、年を追うごとに増加のペースも上がっている。
現行の特別支援教育体制は、2007年に、発達障害の子どもを新たに特別な教育の対象に加えて発足したものであるが、必要な予算と人員は確保されなかった。このため、全国で深刻な問題が起きている。特別支援学校では、校庭をつぶして教室をつくる、音楽室や図書室を普通教室に転用する、さらには、廊下にまで教室をつくる、それでも足りずに教室をカーテンで仕切って2つのクラスで使うなどの事態が広がっている。特別支援学級や通級指導教室でも「希望しても入れない」などの問題が起きている。とりわけ、通級指導教室は、設置されている教室数が全国で3,600あまり(2008年度)と非常に少ない上、編制基準がないため、一人の教員で何十人もの子どもを指導する事態も生まれている。「生徒10名に教員1人を配置」などの基準を設けていくなどし、一刻も早くこうした状況を改善していくことが求められている。
障害のある子どもの教育は、その子どもの成長・発達する権利を保障するためのものである。同時にそれは、障害のある人びとが社会の構成員として自分らしく生きていく権利を保障されるためにも不可欠である。
よって国及び政府においては、特別支援学校の教室・教員不足の解消と特別支援学級の抜本的な拡充、通級指導教室の条件整備を抜本的に強化するための予算と人員を確保するよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成22年6月24日
上尾市議会
平成22年6月24日
提出者 上尾市議会議員 秋山 もえ
賛成者 上尾市議会議員 町田 皇介
賛成者 上尾市議会議員 遠藤 朝子