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議第4号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年3月19日更新 ページID:0002446

埼玉県立高校統廃合の計画の見直しを求める意見書

 埼玉県教育委員会は、2009年秋に「県立高校後期再編整備計画(案)」を発表した。この計画案は、2000年3月に発表された「21世紀いきいきハイスクール構想」の一環であり、今回全日制6校、定時制で5校を廃校にするというものである。県民コメントに寄せられた意見の8割は計画への反対や再考を求めるものであった。各自治体からもかつてなく反対や見直しを求める意見書が提出されている。
 この計画は2008年に埼玉県教育委員会が開催した「21世紀いきいきハイスクール推進計画懇談会」で決めた計画に基づくものとされているが、懇談会での論議においても、統廃合については消極的或いは慎重な意見であり、積極的に進めるというものではなかった。
 貧困と格差の広がりから、公立高校希望者が増加している。とりわけ、定時制高校の統廃合で、2009年度東部地区の定時制高校の不合格者はすでに35人にも上っており、これ以上統廃合が進めば、さらに大量の不合格者を生み出すことも予測される。高校授業料無償化が現実のものとなっているにもかかわらず、高校に進学できない子ども達が生み出されることがあってはならないことである。
 日本の教育費のGDP費が、OECD30カ国中最下位水準であることが問題となっている。昨年9月14日の毎日新聞には日本PTA全国協議会を始めとする教育関係23団体の「子どもの教育が第一、少人数学級の実現を」という全面広告が掲載された。教育費の充実、教育条件の整備は今や国民世論となっている。今必要なのは、高校再編整備という名の高校リストラではなく、30人学級の実施など子ども達の学ぶ環境を整えることではないか。 
 また、全ての県立高校は地域の全面的な協力のもと創設され、地域の支援によって発展してきた。学校統廃合は、子どもの教育と地域社会の存続の双方にかかわる。一方的な学校統廃合にたいして、各地で「住民合意を尊重せよ」と広範な運動がひろがっているのは当然である。子どもを含む住民で統廃合の是非についてよく話し合い、合意を尊重することが不可欠である。
 上尾市にある県立高校は、この後期計画には入っていないが、近隣では与野高校が対象になっており、市民に影響が出ることも考えられている。さらに遠方の高校に通わなければならない事態になれば、通学費の負担や安全面の問題もでてくる。
 よって、埼玉県はこうした地域住民の声にしっかりと耳を傾け、子ども達の高校教育を受ける機会を奪う高校統廃合計画を見直すべきである。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成22年3月19日

上尾市議会

平成22年3月19日

提出者 上尾市議会議員 遠藤 朝子 
賛成者 上尾市議会議員 田中  守 
賛成者 上尾市議会議員 西村テル子