議第1号議案
地方分権の推進に関する意見書
豊かで活力のある地域社会をつくり、地方を再生するためには、地方分権を推進し、自治体が地域の実情や住民のニーズに的確に対応した行政サービスを提供できるようにしなければならない。
しかし、政府の「地方分権改革推進委員会」が2008年5月にとりまとめた「第1次勧告」、それを受けて政府が決定した「地方分権改革推進要綱(第1次)」は、限定的な分野における権限移譲について言及したに過ぎず、抜本的な地方分権への道筋を示していない。
また同委員会が同年12月にとりまとめた「第2次勧告」は、国の出先機関の多くの事業を国の事業として存続させることとしており、地方分権と呼ぶには不十分な内容である。さらに同勧告は地方整備局、地方農政局、経済産業局などを束ね、ブロックごとに「地方振興局(仮称)」といった巨大な出先機関を創設するとしているが、大半の事業を国に残したままの統合では国の力がかえって強まり、地方分権に逆行するものとなりかねない。
よって国及び政府においては、下記の事項を含む地方分権改革を確実に推進するよう強く求める。
記
1 住民に身近な市町村の役割を重視する観点から、国と地方の役割を抜本的に見直した上で、国から地方への事務事業の移譲を大幅に進め、地方の権限を拡大すること。
2 国と地方の役割を抜本的に見直す中で、国の出先機関である地方支分部局を廃止、縮小すること。
3 地方分権を推進するにあたっては、国と地方の協議を法制化するとともに、地方の意見が反映される仕組みを構築すること。
4 政省令のうち住民の生活に密接に関係するものについては、政省令の規定を廃止するか地方の条例で変更できる旨や条例に委ねる旨の規定を政省令に設けるなど、地域住民の視点に立って政省令や条例等のあり方を見直すこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成21年3月19日
上尾市議会
平成21年3月19日
提出者 上尾市議会議員 町田 皇介
賛成者 上尾市議会議員 池野 耕司
賛成者 上尾市議会議員 佐野 昭夫