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議第23号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2008年9月24日更新 ページID:0002355

ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)関連疾患に関する意見書

 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)とは、致死率が高い「成人T細胞白血病(ATL)」や、排尿、歩行障害を引き起こす「せき髄疾患(HAM)」の原因ウイルスである。ウイルスを体内に持っている人(キャリア)は全国で120万人に上ると推定され、ATLで年間約1,000人が命を落とし、HAM発症者は激痛やまひ、歩行障害に苦しんでいるが、いまだに根本的な治療法は確立されていない。
 このウイルスは輸血や性交渉により、また母乳を介して母親から感染をする。このうち輸血による感染防止のために、献血時の抗体検査が1986年11月から導入され、新たな感染はほぼなくなった。
 このウイルスの特徴は、発症するまでに40年から60年と期間が長いことである。そのため、自分自身がキャリアであると知らずに子どもを産み育て、数年後に自身が発症して初めてわが子に感染をさせてしまったことを知らされるケースがある。この場合、母親の苦悩は言葉では言い表せない。一部自治体では、妊婦健康診査時に抗体検査を実施し、陽性の方には授乳指導を行い、感染拡大を抑制している。
 HAMについては2009年度から難治性疾患克服研究事業の対象疾患に指定されることになったが、今後、治療法の確立へ向けて研究促進に大いに期待する。
 よって、国及び政府においては、ヒトT細胞白血病ウイルス1型関連の疾患の予防、感染の拡大防止を推進するため、下記の項目について早急に実現するよう強く要望する。
  

1 潜在患者の把握など実態調査を行なうこと
2 医療機関等へのHTLV-1に関する情報を周知徹底すること
3 治療研究の促進およびワクチンの開発を行なうこと
4 ウイルス感染者の相談体制の充実を図ること
5 発症者への支援、福祉対策を推進すること

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成20年9月24日

上尾市議会

平成20年9月24日

提出者 上尾市議会議員 鴨田 幸子 
賛成者 上尾市議会議員 町田 皇介
賛成者 上尾市議会議員 遠藤 朝子
賛成者 上尾市議会議員 中村 清治