議第5号議案
「バイオマス推進基本法」(仮称)の制定を求める意見書
昨年、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した「第4次評価報告書」は、地球の温暖化について、引き続き石油などの化石燃料に依存していけば、今世紀末には平均気温は4.0度(2.4~6.4度)上がると予測し、今後、人間の存在基盤が著しく脅かされる恐れがあり、その対策の緊急性を訴えるとともに、各国政府がより強力な対策を講じるよう警鐘を鳴らしている。
対策の大きな鍵を握る温室効果ガスの削減について、昨年12月、インドネシアのバリで開催されたCOP13(国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、2009年末の妥結を目指してポスト京都議定書の枠組みに関して交渉を開始することで合意がなされた。特に、日本は今年、この交渉の進展に重要な役割を持つ洞爺湖サミットの議長国であり、世界の温暖化対策、特に京都議定書に加わっていない米国、中国、インドなども含め、すべての主要排出国が参加する新たな枠組みづくりをリードする使命がある。
そのためにも、自らが確固とした削減政策と中長期の排出削減目標を示す必要があり、再生可能エネルギーの導入促進と省エネルギー対策によって「低炭素、循環型社会」への移行を図る道標を示すべきである。
石油脱却に向けてカギを握っているのが代替燃料としてのバイオ燃料である。石油産業社会に替わる「バイオマス産業社会」をも展望し、食糧との競合問題への対応も含めて、日本をあげてバイオマス活用の推進を図るために「バイオマス推進基本法」(仮称)を制定すべきである。
よって、国及び政府においては、現在、政府が進める「バイオマス・ニッポン総合戦略」を総合的かつ計画的に推進するためにも、同基本法の制定を強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成20年3月21日
上尾市議会
平成20年3月21日
提出者 上尾市議会議員 長沢 純
賛成者 上尾市議会議員 糟谷 珠紀
賛成者 上尾市議会議員 斉藤 隆志