議第9号議案
「最低賃金」制度の見直しを求める意見書
まじめに働いても生活保護水準の収入さえ得られないワーキングプア(働く貧困層)が広がる中、主要国では「最低賃金」の引き上げが焦点になっており、わが国でも格差が大きな問題となっている今、この見直しは急務である。
最低賃金制度は、雇用形態にかかわりなく、すべての労働者が対象であり、最低賃金の引き上げは安定した個人消費の拡大につながる。また、賃金の底上げは、日本社会の格差の拡大に歯止めをかけ、逆転させるうえでも、大きな意味をもつものである。
この最低賃金がヨーロッパ諸国ではすでに労働者の平均的所得の4割台を超え、5割を超えている国もあり、アメリカも最近、最低賃金を大幅に引き上げようとしている。OECDなど世界で広く採用されている国際基準で言うと、国民の平均的所得の5割以下が貧困世帯とされ、最低賃金で働いても貧困にならない社会が目指すべきあたりまえの社会だという考えから、ヨーロッパ諸国は最低賃金を、当面、労働者の平均的所得の5割に引き上げ、さらに6割を目指すことを決めている。
こうした流れの中で、日本だけが取り残され、32%という最低賃金は、世界でも最低水準の国になっている。
よって、国及び政府においては、今こそ最低賃金で働いても貧困にならない社会、すなわち最低賃金は、労働者の平均的所得の5割を目標に、抜本的に引き上げるという考え方に立ち、見直していくべきである。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成19年3月20日
上尾市議会
平成19年3月20日
提出者 上尾市議会議員 糟谷 珠紀
賛成者 上尾市議会議員 児玉 晋
賛成者 上尾市議会議員 武藤 政春