議第18号議案
公共工事における建設労働者の適正な労働条件確保に関する意見書
わが国では、90年代から続いた長い景気低迷の中、国及び地方自治体が発注する公共工事が減少し、企業間の受注競争が激減したことから、建設業においては、元請け下請けという重層的な関係の中で、現場で働く労働者の賃金及び雇用の不安定な状況が深刻さを増している。
本来、賃金等の労働条件については、公契約の下における労働であるか否かにかかわらず、最低賃金法及び労働基準法に定める労働条件に照らし、労使当事者が自主的に取り組むべきものである。しかし、公共工事の発注においては、一般的に工事代金の総価格を契約金額として締結する「総価方式」を採用しているため、下請け企業の存続が危ぶまれ、その労働者の賃金が低く抑えられてしまう傾向にあることが指摘されている。
諸外国においては、公共工事にかかわる賃金の確保等を定める「公契約法」の制定が進んでおり、わが国でも平成12年11月に「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」が制定され、「建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるように努めること」との附帯決議が行われたところである。しかし、公共工事に従事する労働者に適正な賃金を確保するための対策はいまだ十分であるとは言い難い。
よって国及び政府においては、公共工事における建設労働者の適正な労働条件を確保するとともに公共工事における安全や品質の適切な確保のために、次の措置を講じるよう強く要望する。
記
1.公共工事において、建設労働者の適正な賃金が確保されるよう「公契約法」の制定を促進すること。
2.「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の附帯決議事項について、実効ある施策を実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年9月20日
上尾市議会
平成18年9月20日
提出者 上尾市議会議員 野本 順一
賛成者 上尾市議会議員 児玉 晋
賛成者 上尾市議会議員 鴨田 幸子
賛成者 上尾市議会議員 黒須 喜好
賛成者 上尾市議会議員 松木 清作