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議第10号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年10月2日更新 ページID:0352414

適格請求書等保存方式(インボイス制度)の円滑な導入に向けた事業者支援の強化等を求める意見書

 本年10月から、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(以下「インボイス制度」という。)が開始される。この制度においては、適格請求書(以下「インボイス」という。)発行事業者ではない事業者からの仕入れでは税額控除ができない。そのため、主に個人事業者や小規模事業者である免税事業者は、取引先からインボイス発行事業者となってインボイスを発行するなどの対応を求められ、対応できなければ不当な値下げや取引からの排除を求められることが懸念される。
一方で、インボイス発行事業者になると、消費税の申告・納付が義務付けられ、税負担と事務負担の二重の負担を新たに負うことになる。物価高騰や新型コロナウイルス感染症などの影響で小規模事業者等が経営難に苦しみつつも事業継続、雇用維持に懸命に取り組んでいる中、インボイス制度の導入により、更なる負担が課されることになれば、廃業を選択せざるを得ない事業者が増加し、コロナ禍等からの経済再生を阻害する要因にもなりかねない。
インボイス制度の導入も間近に迫っているが、民間調査会社の調べによると適格請求書発行事業者の登録申請数は、令和5年6月末時点で350万件を超えるなど発行側の対応が進んでいる一方で、適格請求書の受領に関わる準備を完了しているのはわずか22.5%にとどまっているという現状もあり、制度導入後に支障を来すことのないよう、更なる普及・周知の徹底が急がれる。
よって、国及び政府においては、インボイス制度を円滑に導入するため、下記の事項を実施することを強く要望する。

1 インボイス制度の導入に伴う小規模事業者等の負担を最小化するため、相談窓口の拡充、制度対応に係る経理DX化などのシステム改修に対する費用助成の強化等、きめ細かな支援策を講ずること。

2 免税事業者がインボイス発行事業者として登録し、課税事業者になった際に税負担と事務負担の軽減を図ることができる2割特例について、制度の恒久化を検討するなど、小規模事業者の事業継続のために更なる負担軽減策を講ずること。

3 免税事業者に対する不当な値下げや取引からの排除などが生じないよう、下請法や独占禁止法違反行為の未然防止に努めるとともに、違反行為に対しては迅速かつ厳正に対処すること。

4 事業者の協力を得つつ、制度を円滑に導入するため、インボイス制度の十分な周知や広報を徹底して実施するとともに、制度上の問題点が生じた場合はその都度見直すこと。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和5年9月29日
                         上 尾 市 議 会
 令和5年9月29日
 提出者 上尾市議会議員 小池 佑弥
 賛成者 上尾市議会議員 大室 尚
  〃     〃    道下 文男