議第5号議案
加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的助成制度の創設を求める意見書
加齢性難聴は、日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど生活の質を落とす大きな原因になる。また、最近ではうつ病や認知症の危険因子になることも指摘されている。加齢性難聴によりコミュニケーションが減り、会話することで脳に入ってくる情報が少なくなることが、脳の機能の低下につながり、うつ病や認知症につながるのではないかと考えられている。
日本の難聴者率は、欧米諸国と大差はないが、補聴器使用率は欧米諸国と比べて低く、日本での補聴器の普及が求められている。しかし、日本において補聴器の価格は、片耳当たりおおむね3万円から20万円であり、保険適用ではないため全額負担となる。
身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者である高度・重度難聴の場合は、補装具費支給制度により1割負担、中等度以下の場合は、購入後に医療費控除を受けられるものの、その対象者はわずかで、約9割は自費で購入していることから、特に低所得の高齢者に対する配慮が求められる。
欧米では補聴器購入に対して公的補助制度があり、日本でも一部の自治体で高齢者の補聴器購入に対して補助を行っている。
補聴器のさらなる普及で、高齢になっても生活の質を落とさず、心身とも健やかに過ごすことができ、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながる。
よって、国及び政府においては、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的助成制度を創設することを求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
令和元年12月24日
上尾市議会
令和元年12月24日
提出者 上尾市議会議員 平田 通子
賛成者 上尾市議会議員 新藤 孝子
賛成者 上尾市議会議員 戸口 佐一