議第1号議案
キャッシュレス化推進に伴う手数料引き下げを求める意見書
我が国は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に、更なるインバウンド観光振興等が消費喚起を促し経済の活性化に寄与すると認識し、キャッシュレス化を推し進めている。
その効果として、支払いデータの利活用による消費の利便性の向上や、集積される支払情報を蓄積・分析することで新たなサービスの創造につながることとして期待されている。
世界のキャッシュレス化の動向に目を向けると、先進国に限らず発展途上国も含め急速に普及している。平成30年4月に経済産業省がまとめた「キャッシュレス・ビジョン」において、国内で十分に進展していない現状や、他国比でみたキャッシュレス決済比率が低位であることが問題として示唆されている。また、「政府や自治体自らが積極的にキャッシュレスの取組みを実施することが望まれる」とある。
更なる普及を実現するためには、キャッシュレス支払いが利用できる場所(実店舗等)と支払手段の利用者(消費者等)双方が拡大する必要があるとされている。
このような状況下、小規模事業者のキャッシュレス支払いにかかる手数料が大型店・チェーン店に比べ高く、不公平な競争を強いられている。実際に取引金額が低額の小規模事業者には利益を手数料が上回るケースが存在しており、キャッシュレスを導入する実店舗等の拡大を妨げる要因となっている。
特に地域の商店街は小規模事業者が大半を占める組織で形成され、経営者の高齢化ならびに後継者不足による廃業の増加、多様化する顧客ニーズに加え大型店やネット販売による価格競争等、より厳しい状況が増す中、売上不振・利益減少等の課題に直面している。
よって、国及び政府においては、小規模事業者や低額な支払いに対するキャッシュレス化の支払手数料について公平な競争ができるよう、恒久的な政策として低廉な新しい手数料モデルの整備を図ることを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
平成31年3月22日
上尾市議会
平成31年3月22日
提出者 上尾市議会議員 星野 良行
賛成者 上尾市議会議員 道下 文男
賛成者 上尾市議会議員 野本 順一