議第8号議案
都市再生機構法第25条第4項の規定に基づく「家賃の減免」の実施と居住者合意の「団地別整備方針書」策定を求める意見書
いま公団住宅居住者は、高齢化と収入低下の中で家賃負担の重さと居住の安定に不安を抱いている。
昨年9月、上尾市内公団3団地自治会が行ったアンケート調査によれば、居住者の世帯主75歳以上が43.7%、65歳以上では74.4%になる。また、75.9%が年金受給世帯で、給与所得世帯(パートを含む)は19.0%に過ぎない。その結果、世帯年収は353万円未満が78月4日%、242万円未満では57.8%、200万円未満では39.2%、100万円未満も8月4日%となっている。家賃は82.8%が4~6万円台で、年収250万円(月収20.8万円)で4月5日万円の家賃負担率は21.6%、年収200万円(月収16.7万円)では27.0%にもなる。年金だけが頼りの世帯(48.7%)にとって家賃負担は非常に大きなものがある。そのため、37.1%が「家賃負担が大変重い」と答え、「やや重い」(39.7%)と合わせると76.8%が「家賃が重い」と訴えている。アンケートは高齢者の回答比率が高いとはいえ、団地居住者の生活実態が大変厳しいことには変わりない。
独立行政法人都市再生機構(以下、「都市機構」という。)は市場家賃を原則としながらも、その公共的使命から独立行政法人都市再生機構法(以下、「機構法」という。)第25条第4項において「規定による家賃の支払いが困難であると認められる場合においては、家賃を減免することができる」と規定している。公団住宅居住者の多くが公営住宅収入層であることを政府・都市機構とも認めながら、これまでこの条項は空文化され、全く適用・実施されていない。
また、都市機構は団地の統廃合、住戸の削減を目指して、2018年度末までに「団地別整備方針書」の策定を進めている。居住者は団地コミュニティを培い、上尾市民として地域に根付いた生活を築いてきている。多くが末永く団地に住みつづけたいと願っている。上記アンケートでも原市団地で72.7%、尾山台団地で74.1%、西上尾第一団地で84.9%が団地での永住を希望している。
よって、国及び政府においては、団地居住者の実情を鑑み、安心して住み続けられるよう下記の措置を講じられるよう強く要望する。
記
1 都市機構は、公営住宅収入層に準じる低額所得世帯に対し、機構法第25条第4項の「家賃の減免」条項を適用・実施すること
2 都市機構は、「団地別整備方針書」を策定する際には、上尾市及び団地自治会と十分に話し合い、三者合意を得ること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
平成30年6月25日
上尾市議会
平成30年6月25日
提出者 上尾市議会議員 戸野部 直乃
賛成者 上尾市議会議員 海老原 直矢
賛成者 上尾市議会議員 戸口 佐一
賛成者 上尾市議会議員 長沢 純