議第14号議案
駅構内におけるホームドア等の設置で早急な安全対策を求める意見書
ことし8月、視覚障害があり、盲導犬を連れて歩いていた男性が、都内の地下鉄駅ホームから転落し電車にはねられ死亡する事故が起きた。
国土交通省によると、障害の有無にかかわらず乗客がホームから転落した事故は平成21年度の2442件から平成26年度には3673件に増えている。そのうち、視覚障害者のホームからの転落事故は、38件から80件に増えている。
一方、ホームドア設置駅は、全国約9500駅のうちわずか665駅である。国土交通省が平成32年を目標に優先して設置するよう鉄道各社に求めている1日10万人以上が利用する約250駅では、わずか30%程度の77駅にとどまる。全国の鉄道各社は、ホームドアの設置を順次進めているが、車両扉の相違による技術的な問題、コストがかかることからなかなか進んでいないのが現状である。
転落事故を防ぐにはホームドアの設置は急務である。
平成23年2月に、「ホームドアの整備促進等に関する検討会」が設置され、その中間報告の中には、「ハード面の対策だけで対応するのみならず、鉄道事業者の係員等に対する教育・研修活動、旅客の障害者等に対する理解と協力を促進する『心のバリアフリー』の為の取組みを含むソフト面の対策を一体で、国や地方公共団体、鉄道事業者等の関係者が連携して強力に推進すること」が、提言されている。
よって、国および政府においては、駅利用者の安全を確保するために以下の事項を強く求める。
記
1 国としてホームドア整備が加速するよう必要な手だてをとること
2 駅、ホームの点字ブロック(点状用・線状用)など、障害者の安全に配慮した駅の点検、改善を進めること
3 係員等に対するバリアフリーに関する教育・研修および、視覚障害者への積極的な声かけや誘導案内、マナーに関する
啓発などの充実を図ること
4 駅の利用者自身に対するホーム上での安全に関する啓発活動を強化すること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
平成28年9月16日
上尾市議会
平成28年9月16日
提出者 上尾市議会議員 新藤 孝子
賛成者 上尾市議会議員 浦和 三郎
賛成者 上尾市議会議員 池田 達生
賛成者 上尾市議会議員 秋山 もえ