議第19号議案
議第19号議案 安心して住み続けられる家賃制度を求める意見書
都市再生機構(以下、「機構」)は「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(2013年12月24日閣議決定)に基づき、次の作業を進めている。
・継続家賃の引き上げ幅の拡大、改定周期の短縮等により家賃収入増を図るため、現行の家賃改定ルールの見直しを行う(2015年度中)
・高齢低所得世帯等に対する家賃特別措置について、機構負担に替え公費実施を検討し結論を得る(2014年度中)
・収益性が低い団地の統廃合の加速を目指し「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」に基づく具体的な実施計画を策定する(2014年度中)
機構は、その目的に「家賃収入の最大化」「団地の収益力向上と資産圧縮」を掲げ、団地居住者の居住の安定と、機構が果たすべき公共的な役割についての配慮、施策は全く見られない。
本年10月、全国公団住宅自治会協議会(全国自治協)に加盟する原市団地、尾山台団地及び西上尾第一団地の3団地自治会では、全世帯を対象に全国統一「第10回団地の生活と住まいアンケート」を行った。
これによると、世帯主は65歳以上が68.3%(80歳以上が13.1%)を占め、1人暮らしが32.7%、2人が45.4%である。収入は年金世帯が68.4%、年収200万円以下が37.9%、250万円以下が56.0%である。家賃は3~4万円台が64.2%、5~6万円台が24.5%であるが、収入の25%以上を家賃に充てざるを得ない世帯も少なくない。64.1%が家賃負担は「重い」と答えている。また、76.9%が「団地に住み続けたい」と答え、不安なこととして「値上げや高家賃」が62.4%、「公団住宅の民営化」が55.2%、「団地再生・再編で移転強要」が42.8%と、居住の安定を求める願いは切実である。
市内には、機構住宅5団地9,596戸に18,500余名が市民として生活しているが、これらの団地の高齢化や収入などの生活実態は前記のとおりである。このような状況における「閣議決定」の実施は、多くの者が公団住宅、延いては上尾市に住めなくなる恐れがある。また、これまで築いてきた団地コミュニティーの崩壊も想像し難くない。
よって、国及び政府においては、今回の機構の新たな動きに対しても、下記事項について、団地居住者の実情を鑑み、安心して住み続けられるよう家賃制度などの改善を求める。
記
1 機構は、家賃引き上げ幅拡大、改定周期短縮等を策する家賃改定ルールの変更を取りやめ「独立行政法人都市再生機構法に対する附帯決議」及び「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」を順守し、安心して住み続けられる家賃制度に改善すること
2 低所得高齢者等への家賃減額措置の充実に努め、高齢者・子育て世帯の居住安定を図ること
3 収益本位の団地統廃合ではなく、まず空き家を早期に解消するなど、公団住宅を公共住宅として守り、国民の住生活向上とコミュニティーの形成に大いに役立てること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
平成26年12月19日
上 尾 市 議 会
平成26年12月19日
提出者 上尾市議会議員 渡辺 綱一
賛成者 上尾市議会議員 浦和 三郎
〃 〃 長沢 純
〃 〃 秋山 もえ