議第12号議案
放射能汚染水対策の抜本的強化を求める意見書
東京電力福島第一原子力発電所で、新たに300トンもの汚染水漏れが発覚し、一部は海に流出した可能性もあり国内外に衝撃を与えている。この事態を受け原子力規制委員会は、事故の国際原子力事象評価尺度を「1」から「3」相当へと引き上げた。
今回、漏えいした汚染水貯蔵タンクは、事故直後、建屋地下の大量の高濃度汚染水を収容するために急ごしらえした設備であり、耐久性の不足が常々指摘されていた。
東京電力は、これまでに流出した汚染水は、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が24兆ベクレル、漏れたタンク北側の井戸で採取(9月8日)した地下水からは、1リットル当たり3200ベクレルが検出されたと発表した。9月3日、政府は「汚染水問題に関する基本方針」を決定した。
政府はこれまで汚染水対策を東京電力の責任とし、東京電力は問題が起きれば応急対策を繰り返してきたが、基本方針では「東京電力任せにするのではなく、国が前面に出て抜本的な対策を講じる」として、凍土遮水壁などに470億円の多額の国費を投入するとした。
しかし、経済産業省資源エネルギー庁の原子力発電所事故収束対応室長が、凍土遮水壁による地下水位管理の技術的裏付けを会見で問われ、「技術的説明は難しい」「リスクはある」としか説明できない事態となっており、このままでは国民の不安は払拭されない。
よって、国及び政府においては、政府の責任で汚染の実態や原因の全容を調査・把握して国民に明らかにするとともに、内外の集団的英知を総結集した放射能汚染水対策の抜本的強化を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
平成25年12月20日
上 尾 市 議 会
平成25年12月20日
提出者 上尾市議会議員 糟谷珠紀
賛成者 上尾市議会議員 平田通子
〃 〃 秋山もえ