議第13号議案
建設業従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を国に求める意見書
アスベストを大量に使用したことによるアスベスト(石綿)被害は、多くの労働者、国民に広がっている。現在でも、建物の改修、解体に伴いアスベストが飛散し、労働者や住民に被害が広がる現在進行形の公害である。更に東日本大震災で発生した大量のガレキ処理についても被害の拡大が心配されている。
欧米諸国が製造業の従事者に多くの被害者を出しているのに比べ、日本では建設業就業者に最大の被害が生まれていることが特徴である。それはアスベストのほとんどが建設資材など建設現場で使用され、そして国が、建築基準法などで不燃化、耐火工法としてアスベストの使用を進めたことに大きな原因がある。
特に建設業は、重層下請け構造や多くの現場に従事することから、労災に認定されることにも多くの困難が伴い、多くの製造業で支給されている企業独自の上乗せ補償もない。
国は石綿被害者救済法を成立させたが、成立後一貫して抜本改正が求められている。
現在建設業に従事していたアスベスト被害者たちが、全国6つの地方裁判所に国とアスベスト建材製造企業に補償とアスベスト対策の抜本改正を求めて裁判を起こしている。司法の場での結論を問わず、被害者の苦しみは変わらない。
よって、国および政府においては、建設アスベスト被害者と遺族が生活できる救済の実施とアスベスト被害の拡大を根絶する対策を直ちにとるとともに、アスベスト問題の早期解決を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成24年6月22日
上尾市議会
平成24年6月22日
提出者 上尾市議会議員 秋山 もえ
賛成者 上尾市議会議員 斉藤 哲雄
賛成者 上尾市議会議員 池野 耕司