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議第6号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年3月30日更新 ページID:0054511

東京電力株式会社の電気料金値上げへの政府対応を求める意見書

 現在、我が国の景気は、東日本大震災の影響、円高の進行及び長期化するデフレの影響により、大変厳しい状況が続いている。
 また、東日本大震災によるサプライチェーンの脆弱性の顕在化や電力制約など国内生産の高コスト化に対する懸念の強まりなどから、産業の空洞化、ひいては雇用の空洞化という事態は日に日に深刻度を増している。
 このことからも、被災地の本格的復興と日本経済再生のために全力で取り組み、更に原子力発電所災害の早期収束とエネルギー供給対策を講じることが喫緊の課題である。
 本市においても、様々な業種の産業が集積しているが、経営基盤の弱い中小企業は景気の影響を受け大変厳しい経営環境におかれている。
 このような状況の中、東京電力株式会社は、原子力発電所の停止による火力発電の供給力維持・確保による燃料費増加分を補てんするため、1月17日に「自由化部門」の電気料金値上げを発表した。今後、家庭向け電気料金についても、値上げを国に申請する方針を示しており、さらに国民生活と経済情勢は悪化の一途をたどることが予想される。
 地域経済を支える多くの中小企業は、これまでも、さまざまな経営危機に直面する中で、自助・共助の精神と不断の努力をもって経営及び雇用の確保を維持してきた。
 今回の東日本大震災以降の計画停電など電力供給の逼迫時においても、国難を乗り越えるため、徹底した節電や自家発電等、懸命な努力によって製品の安定供給を確保しており、今回の電気料金の値上げは、これら中小企業の取り組みを妨げる要因になりかねないことから、極めて認めがたいものがある。
 また、電気料金の値上げについては、東京電力株式会社が燃料費負担増の内容、電力需給の状況および経営合理化の具体的な対策など明確に情報を開示し、電力需要家の理解を得た上で料金が決められるべきにも関わらず、「権利」と表現し一方的な値上げを行うとしている。これは、事実上電気事業が電力需要家の自由な選択と競争原理が働かない、独占的な市場となっていることの表れであり、早急な対策と見直しが必要となっている。
 よって、政府においては、これら中小企業が担う重要な役割と厳しい経営環境を改めて深く認識され、東京電力株式会社の電気料金値上げに対する適正な対応を行うよう以下の点について強く要望する。

1.より一層の経営の合理化による値上げの中止及び値上げ幅の大幅な圧縮について再考するよう東京電力株式会社に対し要請すること
2.電気料金の値上げに関しては、自由化部門のみならず小口需要者に対しても十分に理解できるよう、東京電力株式会社に対し適切な情報の開示と誠実な交渉を行うよう指示すること
3.発送電分離を行い、多様な発電事業者が参入できるよう電力市場を再編成すること
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成24年3月22日

上尾市議会

平成24年3月22日

提出者 上尾市議会議員 田中 守
賛成者 上尾市議会議員 浦和 三郎
賛成者 上尾市議会議員 斉藤 哲雄
賛成者 上尾市議会議員 清水 義憲
賛成者 上尾市議会議員 伊藤 美佐子