議第4号議案
日米地位協定を抜本的に改定することを求める意見書
米軍が「公務執行中」と認定すれば米軍関係者(米軍人、軍属、家族)の刑事事件の第一次裁判権を日本が放棄せざるを得ない日米地位協定第17条3項の不公正な規定が、重大な悲劇を生み出している。
2011年1月には沖縄で、米軍属の運転する車が19歳の日本人青年の車に正面衝突し命を奪ったが、米軍属は米軍によって「帰宅途中」=「公務執行中」と認定され、日米地位協定にもとづき那覇地検は不起訴処分とした。
被害者青年の母親は、「日本で起こした事故なのに、人の命を奪って、日本の裁判で罪を問えないのはおかしい、こんな地位協定は間違っている」と涙ながらに訴え、2011年4月25日、不起訴処分に対する審査申し立てをした。同年5月27日には検察審査会は、起訴相当という判断を下し、日本の裁判所で審理できないことは「日本国民として非常に不合理だと考える」と批判。日米地位協定の改定を求めている。
この母親の訴えにこたえ、日米地位協定の抜本改定を求める声はいま沖縄全県に広がり、日米地位協定の抜本改定を求める決議は、沖縄県議会が全会一致で決議したのをはじめ、沖縄県下の8割を超す自治体に広がっている(2011年10月)。
こうした中で、那覇地検が米軍属を起訴し直したことは大きな成果である。
しかし、政府の「運用改善」は、引き続き米軍属の第一次裁判権を米側が持つ構造を変えるものではない。
よって、国及び政府においては、日本における米軍関係者のすべての事件・事故を日本の法と司法によって厳正に裁くことができるよう、日米地位協定を抜本的に改定することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成24年3月22日
上尾市議会
平成24年3月22日
提出者 上尾市議会議員 秋山 もえ
賛成者 上尾市議会議員 平田 通子
賛成者 上尾市議会議員 糟谷 珠紀