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議第13号議案

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年12月27日更新 ページID:0048809

子ども・子育て新システムの導入に反対し、現行保育制度の拡充を求める意見書

 国は2011年7月29日に少子化社会対策会議において「子ども・子育て新システムの中間とりまとめについて」を決定した。今後必要な検討を踏まえて、社会保障・税一体化改革とともに2011年の通常国会で法改正を行い、2013年度から新制度の施行を目指すとしている。
 この新システムは、直接契約、利用者補助、保育料の応益負担などを柱とする仕組みであり、待機児童解消を名目に、多様な事業者の参入を図るとして事業者指定制度を導入し、保育を市場化、産業化することが狙いである。
 現行保育制度は、国と自治体の公的責任、最低基準の遵守、公費による財源保障と応能負担を制度の柱にしており、すべての子どもの保育を受ける権利を保障してきた。しかし、新システムは、国の責任を市町村に委ねるだけでなく、児童福祉法24条に基づく市町村の保育実施責任を大幅に後退させるものであり、子どもの福祉より経済効率が優先され、保育の地域格差が広がるだけでなく、家庭の経済状況により子どもが受ける保育のレベルにも格差が生じることになりかねない。
 子どもの貧困や子育て困難が広がる中で、都市部では保育所の待機児童が急増しており、過疎地では保育の場の確保が困難になっている。被災地の保育所の復旧・整備も遅々として進んでいない。
 いま必要なことは、新システムの導入ではなく、国と自治体の責任で保育・子育て支援施策を拡充し、充分な財源を確保することなど、すべての子どもに質の高い保育と支援を保障するための公的保育制度の拡充・改革である。
 よって国及び政府においては、下記の項目について速やかに実施することを強く求める。

1.子ども・子育て新システムについて、財源的な見通しが立たない中での移行は困難であり「今年度中の法律案提出」との方針を撤回すること

2.児童福祉法第24条に基づく公的保育制度を堅持・拡充すること

3.国は、市町村が責任もって待機児童解消に向けた取り組みを行うことができるよう「安心こども基金」の拡充等、保育の充実に向けた地方の創意工夫が生かされるよう必要な支援と財政措置を行うこと

4.保育制度の見直しに当たっては保護者、保育現場の意見を十分尊重し、慎重に検討すること

5.保育の質の低下につながる保育所最低基準の廃止・引き下げは行わず、抜本的に改善すること

6.民間保育所運営費の一般財源化は行わないこと

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成23年12月22日

上尾市議会

平成23年12月22日

提出者 上尾市議会議員 糟谷 珠紀
賛成者 上尾市議会議員 田中 元三郎   
賛成者 上尾市議会議員 佐野 昭夫