議第33号議案
脳脊髄液減少症の診断・治療の確立を求める意見書
脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツ外傷等の身体への強い衝撃が原因で、脳脊髄液が漏れ、減少することによって引き起こされ、頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感等、多種多様な症状が複合的に現れるという特徴をもっている。
今年4月、厚生労働省より、本症とわかる前の検査費用は保険適用との事務連絡が出された。これは、本来、検査費用は保険適用であるはずのものが、地域によって対応が異なっていたため、それを是正するため出されたものである。これは、患者にとり朗報であった。しかし、本症の治療に有効であるブラッドパッチ療法については、いまだに保険適用されておらず、高額な医療費負担に患者及びその家族は、依然として厳しい環境におかれている。
平成19年度から開始された「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」事業(当初3年間)は、症例数において中間目標100症例達成のため、本年度も事業を継続して行い、本年8月、遂に中間目標数を達成した。今後は、収集した症例から基礎データをまとめ、診断基準を示すための作業をすみやかに行い、本年度中に診断基準を定めるべきである。そして、来年度には、診療指針(ガイドライン)の策定及びブラッドパッチ療法の治療法としての確立を図り、早期に保険適用とすべきである。また、本症の治療に用いられるブラッドパッチ療法を、学校災害共済、労災、自賠責保険等の対象とすべきである。
よって国及び政府においては、脳脊髄液減少症の診断及び治療の確立を早期に実現するよう、以下の項目を強く要望する。
記
1.平成22年度中に脳脊髄液減少症の診断基準を定めること
2.「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」事業においては、平成23年度に、ブラッドパッチ治療を含めた診療指針(ガイドライン)を策定し、ブラッドパッチ療法(自家血硬膜外注入)を脳脊髄液減少症の治療法として確立し、早期に保険適用とすること
3.脳脊髄液減少症の治療(ブラッドパッチ療法等)を、災害共済給付制度、労働者災害補償保険、自動車損害賠償責任保険の対象に、すみやかに加えること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成22年12月17日
上尾市議会
平成22年12月17日
提出者 上尾市議会議員 鴨田 幸子
賛成者 上尾市議会議員 秋山 もえ
賛成者 上尾市議会議員 清水 義憲
賛成者 上尾市議会議員 池野 耕司