議第23号議案
児童扶養手当制度の拡充を求める意見書
児童扶養手当は、母子家庭などひとり親家庭の「生活の安定と自立の促進」によって「児童の福祉の増進を図る」(児童扶養手当法第1条)ことを目的に支給される制度で、所得に応じて子ども1人最大月額4万3,160円、第2子加算1万190円、第3子以降加算6,110円が支給されている。所得が増えるほど支給額が減り、例えば税法上の扶養が1人の場合、前年度の所得額が230万円以上になると打ち切られる。このため所得制限を少し超えた人は、児童扶養手当支給世帯以下の生活レベルに陥るという逆転現象が起きて困窮している。また、さまざまなひとり親支援の制度の多くは「児童扶養手当」の有無が基準になっているため、児童扶養手当対象外になるとさまざまな支援からもこぼれてしまう実態がある。
NPO法人と専門家が今年7月に実施した調査によると、コロナ禍でシングルマザーの7割が雇用形態の変更や減収に見舞われ、ひとり親世帯の暮らしが厳しさを増している実情が浮かび上がった。格差を固定化させず、貧困の連鎖を断つためにも、児童扶養手当制度のさらなる拡充が求められている。
よって、国及び政府においては、児童扶養手当制度について、下記の改善を早急に図るよう強く要望する。
記
1 所得制限を緩和し、支給対象の拡大を図ること
2 第2子以降の加算額を増額すること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
令和2年12月21日
上 尾 市 議 会
令和2年12月21日
提出者 上尾市議会議員 新藤 孝子
賛成者 上尾市議会議員 轟 信一
〃 〃 鈴木 茂