議第2号議案
選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書
平成27年12月、最高裁判所は夫婦同姓規定自体を合憲と判断したが、同時に選択的夫婦別姓制度については「合理性がないと断ずるものではない」と言及し、制度のあり方については、「国会で論じられ、判断されるべき」とした。
それから約4年が経過し、夫婦の姓をめぐる環境はさらに大きく変化している。平均初婚年齢は年々上がり、現在30歳前後となっている。男女ともに生まれ持った氏名で信用・実績・資産を築いてから初婚を迎えるケースが多いため、改姓時に必要な事務手続きは確実に増えている。戸籍姓でのキャリア継続を望むゆえに事実婚を選ぶ夫婦も少なくない。また、少子化により一人っ子同士のカップルが増えたことで、「改姓しなくていいなら結婚したい」という声も聞かれる。さらに人生100年時代、子連れ再婚や高齢になってからの結婚・再婚も増加傾向にある。
選択的夫婦別姓制度の導入は、「家族で同じ姓の方が一体感が深まる」と考えるカップルが引き続き夫婦同姓で結婚できる一方で、必要なカップルは夫婦別姓を選べるようにするものである。これは男女が改姓による不利益を案ずることなく結婚・出産し、老後も法的な家族として支え合える社会を実現することにつながり、少子化対策の一助にもなる。 また、災害時の本人確認など、2つの「姓」を使い分けることによる混乱や、事実婚増加による婚姻制度の形骸化を防ぐこともできる。さらに、法的根拠のある生まれ持った氏名でキャリアを継続できることから、「女性活躍」の推進にもつながる。
よって、国及び政府においては、男女がともに活躍できる社会実現のためにも、選択的夫婦別姓について、戸籍制度等の社会的な影響範囲も含めて、各方面に配慮しながら丁寧な議論を進めるよう要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。
令和2年3月23日
上尾市議会
令和2年3月23日
提出者 上尾市議会議員 新藤 孝子
賛成者 上尾市議会議員 轟 信一
賛成者 上尾市議会議員 平田 通子