ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織でさがす > みどり公園課 > 放流に頼らない生物多様性保全について

放流に頼らない生物多様性保全について

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年7月8日更新 ページID:0373023

上尾丸山公園では、2019年に実施したかいぼりを契機に、上尾水辺守をはじめとする多くの市民ボランティアの皆さんと協働して在来種の自然再生に取り組んでいます。

ここでは生物を放流することが、”どうしていけないか”をお知らせします。

「かいぼり」より前に上尾丸山公園で行われていた生物の放流

上尾丸山公園は昭和53年に開園した都市公園です。2019年に大池のかいぼりを行うより以前には様々な生物の放流が行われていました。

●色々な外来魚の放流・・・かいぼりでは、ブルーギル、ハクレン、ソウギョ、チャネルキャットフィッシュなど多くの外来魚が捕獲されました。
●魚釣りのためのヘラブナやコイなどの放流
●ホタルの放流

生物を放流する目的は、「池には色々な生物がいたほうがよい。」、「楽しみを増やしたい。」、「子どもたちにめずらしい生物を見て欲しい。」など様々ですが、これらは生物多様性の保全への配慮がされていない行為でした。このようなことが行われていた理由として、一般的に生物多様性の大切さが認識されていなかったためと考えられます。

※現在はこのような生物の放流は行っていません。

Q:ホタルの放流・育成にはどんな問題があるの?

全国各地で「ホタルの保全活動」が行われていますが、中には生物多様性に配慮しない以下のような方法で行われている場合があります。

(1)他の場所から採ってきたホタルや購入したホタル、養殖したホタルを野外へ放しています。観賞イベントで数百匹を放していることもあります。
(2)ホタルの幼虫のエサとなるカワニナなどの貝類を同時に放流しています。
(3)ホタルの幼虫がさなぎになる場所として、水辺に大量の堆肥を敷いています。

これらの方法はいずれも生物多様性の損失につながります。どのような問題があるか考えてみましょう。

問題(1)放流されたホタルは、放流場所に生息している在来集団のホタルとは遺伝的に異なります。両者が交雑することによって、在来集団の個性が失われてしまいます。また外来集団や交雑集団が人の手や自力で移動して分布が拡大すると、交雑がさらに広がってしまいます。交雑によって在来集団の遺伝的特徴が失われると元に戻すことはできません。

問題(2)実は「カワニナ」にもさまざまな種類があり、見た目で見分けるのが難しいと言われています。また同種のカワニナであっても、外来集団と交雑すれば、地域由来の在来集団の個性が失われてしまいます。

問題(3)堆肥で覆われることで水辺の乾燥化や富栄養化が進み、水底の砂泥に生息するヤゴなどの水生生物も生息できなくなります。生育する植物は、堆肥の上に種子が落下したわずかな種類や、堆肥に混入していた外来植物が中心で、湿地の植物は減少します。また、地域由来の土壌の中に眠っている埋土種子が発芽する機会も失われます。

生物は生息地内で観察して、安易に持ち込み、持ち出しをしないようにしましょう!皆さんがどのように行動するかが生物多様性の保全につながっています。

放流防止普及啓発リーフレット

詳細はリーフレットをご覧ください。
生物の放流をやめたほうがいい場所は、上尾丸山公園だけではありません。
みんなで協力して、ネイチャーポジティブを進めましょう!

放流防止普及啓発リーフレットはここからダウンロードできます [PDFファイル/1.24MB]
A5版二つ折りのリーフレットです。
1枚目の左側がP4、右側がP1、2枚目の左側がP2、右側がP3となります。


Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)