男女共同参画(ジェンダー平等)の視点からの防災
災害は、地震、津波、風水害等の自然現象(自然要因)とそれを受け止める側の社会の在り方(社会要因)により、その被害の大きさが決まってくると考えられています。性別、年齢や障害の有無など様々な社会的状況によって影響は異なり、社会要因による災害時の困難を最小限にすることが重要です。
男女共同参画(ジェンダー平等)の視点からの防災~誰ひとり取り残さない人権尊重の防災を!~
地域には、様々な人々が暮らしています。
地震や水害等の災害時には、地域の人たちが、力を合わせ、助け合いが不可欠です。
国籍、性別、年齢、障害のある・なしを問わず、誰一人取り残さず、命を守らなければなりません。
災害対策においては、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、外国人等、すべての人の人権への配慮をする人権尊重の視点が必要です。
また、女性と男性が災害から受ける影響やニーズの違いに配慮するとともに、性的少数者への配慮を行うなど、男女共同参画、ジェンダー平等の視点を取り入れる必要があります。
そのためには、日ごろから、お互いを知る機会を持ち、何かを決める時は、どんな人も意見や要望を言える・聞ける関係づくりが重要です。
上尾市の取り組み
災害等の非常時に顕在化、深刻化するジェンダーの課題解決のためには、平常時からの取組が重要です。
『災害・防災と男女共同参画』についての研修
上尾市では、埼玉県政出前講座を利用し、「人権問題職員研修」として、『災害・防災と男女共同参画』についての研修を行っています。
令和5年度は、令和6年1月16日(火曜日)に実施しました。
受講者は、災害発生時避難所運営に携わる職員、防災担当課職員、上尾市男女共同参画庁内推進会議委員(職員)、人権啓発推進委員会(職員)の130名程度です。
【受講者の感想】
・災害の混乱の中では、現実的には対応が難しいこともあると思うが、予め意識しておくことで、実際の対応にも繋がると思う。
・災害時や避難所において、主に男女共同参画や人権の視点から必要なことを学ぶことができた。 実際の避難所において起きた課題の紹介やワークもあり大変参考になった。
・今回の研修を聞いて改めて感じたのは、昨今の男女平等はそれを考えるあまり「男女」に固執してしまう傾向がある、というところです。男女関係なく適材適所、個人の状況に応じた負担の取り方、恩恵の受け方をすることが本当の共同であり、それが災害時の安定した対応にもつながると考えています。
・能登半島の地震があったので、自分事として受けることが出来た。避難所班の班員ではあるが、避難所の自治に関しては職員が関与できないと思っていた。避難所によっては偏った意見になってしまうこともあるようなので、権利や主張が偏らないような運営を手伝っていきたいと思う。
避難所等での性暴力被害防止ポスターの作成
避難所等では、子どもや女性等、弱い立場の方々への暴力の発生リスクが高まります。
避難所等性暴力被害防止ポスターを作成しました。
安心安全な避難所運営のため、有事の際には、避難所内にこちらのポスターを掲出していただき、避難所全体で暴力を許さないという環境づくりをお願いいたします。
リンク集
(埼玉県)男女共同参画の視点を取り入れた「みんなが安心できる避難所運営」のすすめ
埼玉県では、東日本大震災や熊本地震などの大規模災害の経験や課題を踏まえて
『男女共同参画の視点を取り入れた「みんなが安心できる避難所運営」のすすめ』を作成しています。
地域の防災マニュアル等の作成や見直しの際にご活用ください。
(内閣府)災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画からの防災・復興ガイドライン~
令和2年5月に、内閣府男女共同参画局から「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画からの防災・復興ガイドライン~」が示されました。
このガイドラインでは、地方自治体や自治防災組織等が、平常時からの備え、災害発生時、避難生活時、復旧・復興時において、男女共同参画の視点から取り組むべき事項が掲載されています。
ガイドラインの内容については、以下の内閣府男女共同参画局ホームページからご覧ください。
【内閣府】災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~
また、内閣府では、女性の視点に立った防災・復興の取組を促進するため、令和2年12月に政策統括官(防災担当)付と男女共同参画局の女性職員により、「防災女子の会」が結成され、令和3年5月17日、「防災女子の会からの提言」が内閣府特命担当大臣(防災担当)に手交されました。
本提言書では、避難所等における性暴力・DV(配偶者等からの暴力)の防止や意思決定の場への女性の参画等、女性の視点に立った被災者支援の推進に加え、災害対策に女性の視点を組み込むための国および地方公共団体の防災担当部局の体制強化が重要とされています。
国では、本提言書の内容等を踏まえ、令和3年5月25日に防災基本計画を修正し、地方公共団体が地方防災会議の委員に占める女性の割合を高めるように取り組むことや、市町村が避難所における性暴力やDVの発生を防止すること等を新たに盛り込みました。
【内閣府】防災女子の会からの提言(令和3年5月17日)
(復興庁)男女共同参画班
復興庁では、「男女共同参画班」を設置するとともに、岩手・宮城・福島の復興局にも、「男女共同参画担当」を配置しています。
男女共同参画班では、復興の現場において男女共同参画の観点が一層取り入れられるよう、以下の取組等を行っています。
・ 男女共同参画に関する取組事例の収集・公表
・ 被災地における男女共同参画の支援の浸透活動
詳細は、以下の復興庁ホームページからご覧ください。
復興庁>復興に向けた取組>男女共同参画
リンク集
男女共同参画の視点からの防災に関する様々な取組等について、御紹介します。
・東日本大震災における女性の悩み・暴力相談事業 報告書(内閣府)