「埼玉県部落差別の解消の推進に関する条例」について
同和問題とは、歴史の中でつくりあげられた封建社会の身分制度が廃止されて100年以上たっているにもかかわらず、現在でも同和地区に住んでいることや、その出身であることを理由にさまざまな不利益や差別を受けているという問題です。
最近でも同和地区に居住していることやその出身であることを理由に結婚や就職の際に不当な扱いを受けたり、インターネットを悪用するなどして、差別的な情報を拡散したりする部落差別が後を絶ちません。
このような社会情勢をうけ、令和4年7月8日に「埼玉県部落差別の解消の推進に関する条例」が公布・施行されました。
1.主旨
部落差別の解消に関し、基本理念を定め、県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、部落差別の解消を総合的に推進するために必要な事項を定めることにより、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とするもの。
2.内容
(1)基本理念
部落差別の解消に関する施策は、全ての県民が等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、部落差別を解消する必要性に対する県民一人一人の理解を深めるよう努めることにより、部落差別のない社会を実現することを旨として、行われなければならない。
(2)部落差別の禁止
何人も、図書、地図その他資料の公表又は流布、インターネットの利用による情報の提供、結婚又は就職に際しての身元の調査、土地建物等を取引の対象から除外するための調査その他の行為により、部落差別を行ってはならない。
(3)県の責務
- 基本理念にのっとり、部落差別の解消に関する総合的な施策を実施する。
- 施策を実施するに当たっては、国、市町村、県民及び事業者との連携を図る。
- 部落差別の解消に関し、市町村が実施する施策並びに県民及び事業者の取組に必要な情報の提供、助言その他の支援を行う。
(4)県民の責務
基本理念にのっとり、部落差別を解消する必要性に対する理解を深めるとともに、県が実施する部落差別の解消に関する施策に協力するよう努める。
(5)事業者の責務
基本理念にのっとり、部落差別を解消する必要性に対する理解を深めるとともに、その事業活動を行うに当たって県が実施する部落差別の解消に関する施策に協力するよう努める。
(6)主要な施策等
- 教育及び啓発
- 相談体制の充実
- 部落差別の実態把握
3.施行期日
公布の日(令和4年7月8日)