上尾丸山公園への生き物の持ち込みはやめてください
上尾丸山公園では、2019年に実施したかいぼりを機に在来種の自然再生に取り組んでいます。
在来種の自然な回復を見守るために、外部から生き物を持ち込むことはやめてください。
かいぼり後に確認された持ち込みと思われる生き物
コイ
コイは、元々日本に生息していましたが、明治以降に外国産のコイが放流されて遺伝的攪乱が生じたことにより、外来種と考えられています。コイは雑食性で貝類、エビ類、水草などを捕食したり、泥をかきみだすことで水を濁らせるなどの生態系への被害が深刻な生物と言われています。外来性の分類や生態系への被害は、錦鯉も同様です。
※遺伝的攪乱とは:長い歴史の中で形成されたある種の遺伝構造や遺伝的多様性が、人為的に持ち込まれた個体との交雑によって乱されること。
確認された時期:令和3年7月、令和4年4月、5月、11月
※令和4年4月以降に、大池や修景池において、複数の職員により目視されています。公園に隣接する「丸山都市下水路」に多数生息していますが、上記の理由のとおり、生態系に大きな被害を与える外来種なので、上尾丸山公園の池には絶対に入れないでください。
令和3年7月に捕獲されたコイ。この他、錦鯉が1匹捕獲されました(左)、令和4年11月に修景池で捕獲された錦鯉(右)
オオカナダモ(アナカリス)
南アメリカ原産の沈水植物で、繁殖力が非常に高く、在来性の沈水植物を駆逐する事例が報告されています。切れ藻により繁殖するため、一旦定着してしまうと対策が非常に難しいです。「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれています。
水槽に入れる水草として、ホームセンターなどで購入することができますが、外来種です。
確認された時期:令和4年11月
ミズアオイが再生した湿地の上流水路で見つかったオオカナダモ
オランダガラシ(クレソン)
ヨーロッパ、中央アジア原産の水草で、繁殖力が非常に高く、在来性の水草を駆逐したり、水路の流れの妨げになったりします。「生態系被害防止外来種リスト」に記載されている侵略的外来種です。
食用として利用されていますが、外来種です。上尾丸山公園で食用として栽培することはありません。
確認された時期:令和4年11月
ミズアオイが再生した湿地の上流水路で見つかったオランダガラシ
タイリクバラタナゴ
アジア大陸東部原産の魚類で、在来種のタナゴとの遺伝的攪乱が生じたり、繁殖において競合したりします。「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれています。
体色がきれいで、ホームセンターなどで購入することができますが、外来種です。
確認された時期:令和2年9月から令和3年10月、令和4年4月、5月
※水生生物モニタリング調査やアメリカザリガニの駆除作業において、アヒル池で多く確認されています。
捕獲されたタイリクバラタナゴ
ヒメダカほか品種改良のメダカ
ヒメダカは、メダカの突然変異型の1つで、在来のメダカとの遺伝的攪乱が生じます。
ホームセンターなどで購入することができますが、元の生息地が特定できないことから、上尾丸山公園においては外来種としています。
観賞用の品種改良されたメダカは、在来のメダカとの遺伝的攪乱が生じるため、外来種です。
確認された時期:令和2年9月
捕獲されたヒメダカと品種改良のメダカ
ホテイアオイ
南アメリカ原産の水生植物です。繁殖力が非常に高く、在来の水生植物と競合すると言われており、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれています。
ホームセンターなどで購入することができますが、外来種です。
確認された時期:令和2年7月、令和5年6月
※大池の浅場において、2週連続で確認されています。野外に放置するのは絶対にやめてください。
北浅場付近で見つかったホテイアオイ(左)、令和5年6月に大池の中流浅場で見つかったホテイアオイ(右)
池には、たくさんの在来種の魚や生き物が生息しています。
外来種の持ち込みは、在来種や自然環境に被害を与え、自然を乱す原因となります。
外来種は捕獲の後に駆除となりますので、生き物を大切だと思うのであれば、上尾丸山公園に外部から生き物を絶対に持ち込まないでください。
今後も公園の水辺の再生に努めてまいりますので、来園者の皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いします。